酉福
四代 山田常山 陶展 「十の軌跡」
2013年9月5日(木)~ 9月14日(土)
日、月曜日休廊
午前11時~午後6時 最終日は午後4時まで

先週より開催されている常滑の四代目山田常山さんの個展「十の軌跡」。その名のとおり今回で10回目の個展開催となりました。1995年から2年おきに個展を開催して早18年、酉福と共に歩み続けてくれた常山さんの個展は酉福20周年とともに10回目の個展開催という節目を迎えました。

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常滑出身であり、またお父様が常滑焼(急須)で愛知県初の国指定・重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたことも相まってやはり注目されるのは急須。今回もすばらしい急須が並びますが中心となるのは花入や壺などの造形的な作品です。好評を博した前々回の「壺展」から壺や花入などを多く展示していますが、今回は特に常山さんの造形力や創造性を垣間見られるような作品が多く揃っています。

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まず注目していただきたいのが「常滑 大急須」というこちらの作品。「急須になることを拒否した急須」と常山さんご本人が評したように高さ30cmを超えるこの作品はお茶を淹れるために使うための急須ではありません。その注口や把手、蓋などは急須そのもので、茶漉しもついているなど本格的なこだわりようですが、あくまで鑑賞用、あるいは花入としてお使いいただく作品です。ふくよかな胴体と見事な窯変、そしてしっかりと作りこまれた「急須」部分。常山さんの造形力と遊び心が見どころの作品です。


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次に目を向けたいのが通称「筍」と呼ばれる「常滑 竹花入」。常山さんのお宅に広がる竹林からは毎年多くの筍が顔を出すと仰っていました。立てて展示すればまるでオブジェのような佇まいのこの作品も横に倒して節ごとに水と花を生ければ花入れとしてお使いいただけます。発想に応じて柔軟に展示してお使いいただけるところが魅力でしょうか。制作に非常に手間がかかるというこの作品。焼成も難しくて完成品がなかなか取れないのだといいます。

大急須や竹花入の他にも立派な常滑の壺や様々な形の花入れ、そして常山さんの代名詞でもある急須など10回目を記念する個展に相応しい秀抜な作品が数多く並んでいます。展示は今週14日(土)まで。お時間があればどうぞお越しくださいませ。

(文・画像/マクマーン蓮)
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# by yufuku-gallery | 2013-09-10 15:05 | 酉福ギャラリー展覧会
【酉福常設展】 米元優曜
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「Spiral」(2012)

9月上旬に開催される次回の個展まで、酉福では常設作品を展示しています。酉福を代表する作家の作品から若手作家の作品など多彩な作品を一度に御覧いただける機会となっておりますので、どうぞご高覧ください。
今週から一週間に一人のペースで、常設展で作品を展示している作家を紹介してまいりたいと思います。

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さて、最初に取り上げてご紹介したいのは新進気鋭のガラス作家、米元優曜さんです。山口県出身の米元さんは、5月にロンドンで開催されたアートフェア、Collect 2013で出品作品が完売し、追加注文もでるほどの華々しいデビューを飾りました。弱冠26歳、個展もまだ開催していない米元さんの作品はその名も「Skyscraper」。英国では「まるで近未来の夜空に輝く高層ビルにも見える」と称された作品には実は高層ビルなどに使用されている反射性の高いガラスを使用しているのだといいます。ガラスという素材の透明度を損なわないように慎重に積み重ねられたガラスは、何日もの時間をかけてダイヤモンド研磨機で1mmごと削りだされていきます。

「Skyscraper II」(2013)

つい最近富山のガラス工場から独立して同地でアトリエの準備に追われている米元さん。今回の常設展では初期の作品である「Spiral」そして新作の「Skyscraper II」を両方ご覧いただけます。最初は寝そべっていた作品はやがて直立し、「Skyscraper III」(下画像)では足がつくなど、その作品は次々と進化を遂げています。ギャラリーでは窓辺に佇む米元さんの作品。燦々と照る陽射しが作品の中で乱反射し、夏の光が輝きへと変わります。

「Skyscraper III」(2013)
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(文 / マクマーン蓮)
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# by yufuku-gallery | 2013-07-19 14:37 | 酉福ギャラリー展覧会
小路口力恵のガラス造形展
しばらくお休みをいただいていた酉福ブログですが、約半年振りに再開することになりました。週一回の更新を目標に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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さて、7月4日より開催しているのはガラス作家の小路口力恵さんのガラス造形展。2010年以来、久しぶりの個展開催となりました。ガラスの器も制作する小路口さんですが、今回はさまざまな造形作品がギャラリーを彩っています。富山で花開いた白く淡いガラス作品は、初夏の蒸し暑さにささやかな涼しさを感じさせてくれます。

小路口さんの作品はどれも花や蕾を思わせるような有機的なシルエットを纏っていますが、本人は決して植物をモチーフにしているわけではないと言います。「美しいラインが好き」と曲線の美しさを追い求めた結果が、作品の形となっているのだと言います。
とはいえ、やはり多くの方々から同様の感想をいただくようで、「多くの方からそういうコメントをいただくうちに、無意識的にも自然をモチーフにすることを意識するようになっているかもしれません」と、小路口さんは笑顔で語ってくださいました。
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「ふくら」と題されたガラスのオブジェ作品たち。作品シリーズの名前は富山弁や小路口さんの造語で他にも「ひとせ」、あわい」、「くもい」など、『ひらがな』・『三文字』・『イメージを固定化しないもの』という基準で作品のシリーズに名前を冠していると言います。不思議と名前が気に入ったシリーズは作品の制作が捗るようで、逆に名前がしっくりこないと長続きしないのだそう。『ふくら』の名前は「ふっくらとやわらかく、ここちよい」あるいはやわらかな形や雰囲気をイメージ。ガラスという「硬い」、「冷たい」、そして「透明」な素材を削り、磨き上げることでその印象を転じて「やわらかく」、「あたたかく」、「おぼろげ」とした作品たち。小路口さんの手にかかったガラスがまるで小路口さんのお人柄を帯びたかのように感じるのは気のせいでしょうか。

個展は来週13日(土)まで。出かけるのが億劫になるほど蒸し暑い日々が続いていますが、涼感あふれるガラス作品とともに南青山に涼みにきてはいかがでしょうか。

(文・写真/マクマーン)
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# by yufuku-gallery | 2013-07-06 16:16 | 酉福ギャラリー展覧会
矢部俊一展
今週から、岡山県で彫刻する矢部俊一さんの個展が始まりました。

備前の土を使い、紐作りによる面取りの造形作品を作る矢部さん。

作品に映る影と反射を意識した造形は、
暗くしたスタジオの中でライトを作品に当てながら
磁器用のカンナで陶土の表面を削ぎ、成形しています。

納得するフォルムを追求し、
一週間くらいかけて削り上げるそうです。

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写真の「月山」は人体をイメージ。

具体を抽象的に表現した作品は、
ミニマリズムの影響もうかがえます。

個展は来週10日(土)まで。
矢部さん独自の世界観を是非ご覧ください。

(文・写真/髙橋)
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# by yufuku-gallery | 2012-11-03 18:01 | 酉福ギャラリー展覧会
髙垣篤 陶展
今週から、髙垣篤さんの個展が始まりました。

たたら成形による造形と、
茜色を駆使した青磁釉を用いる独自の作風で知られている髙垣さん。

酉福では3回目となる本展では、
その造形も新しい展開を見せています。

上下に連なる不規則な形は、並列して一体となり
よりダイナミックに表現されています。

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茜色の肌は、化粧土の色によるもの。
上に掛かる青磁釉から透けて見え、重厚感のある色合いです。

また、7月から開催している
フランス・ピカソ美術館での陶磁器ビエンナーレでは、
招待出品として髙垣さんの作品を展示。
大変好評をいただいています。

酉福の個展は来週27日(土)まで。
新しい造形を是非ご覧ください。

(文・写真/髙橋)
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# by yufuku-gallery | 2012-10-20 15:55 | 酉福ギャラリー展覧会
西 由三展
今週から、秩父に工房を構える鋳金作家・西由三さんの個展が始まりました。
酉福では2005年にお父様の西大由先生との二人展を開催して以来、7年ぶりです。

本展では、シャープな直線による造形を展示。
西さんは個展での作品発表はほとんどされていませんでしたが、
10点もの作品を一度にご覧頂ける貴重な機会となりました。

鋳金とは、溶解した金属を鋳型に流し込み冷却した後、
研磨などの仕上げをして制作します。
金属の配合、型の制作、鋳造、研磨、着色、仕上処理など工程も多く、
大変手間のかかる技術です。

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写真の作品は、西さんが旅したトルコの丘陵の大地をイメージしたそうです。
ゆるやかに続く情景の一部分を表現しています。

この作品に使用している金属は、
朧銀(ろうぎん/おぼろぎん)と呼ばれる、合金の一種です。
仕上げに表面に硫黄をかけることにより、
金属に含まれる鉛の成分が表出し、独特の風合いが出ます。

鋳金の最大の特徴は、同じ原型を使用して複製が可能なこと。
会場では、黄銅、青銅による同型の作品も展示しています。

金属の素材、表面処理によって表情が全く異なるため、
見比べていただくのも面白いですよ。

個展は10月13日(土)まで。是非ご来店ください。

(写真・文/髙橋)
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# by yufuku-gallery | 2012-10-06 18:05 | 酉福ギャラリー展覧会
長江重和展
今週20日(木)より、長江重和さんの展覧会を開催しております。
長江さんといえば、鋳込み(いこみ)と呼ばれる技法を用いて作られた作品で有名ですが、2008年より続く「列なりのかたち」シリーズの国内展示は今回の個展をもって、最後となる予定です。

この「列なりシリーズ」は海外で評価が高く、今年はロンドンのアートフェア、コレクト展だけでなく、今年の7月より南仏のヴァロリス市にて始まったヴァロリス陶磁器ビエンナーレでも展示されました。このビエンナーレでは日本が招待国として招かれ、酉福から7名の作家の作品を出展。長江さんもその一人です。
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会場外の看板
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長江さんの作品
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小松大使(中央右)に作品の説明をされる長江さん(右)

磁土で作られたとは思えない有機的な造形に多くの方が惹きつけられています。そして7月9日(月)より4日間、現地の方に向けてワークショップもされました。
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ワークショップ参加者と共に

石膏型を作る際、早く固まりすぎる、といったちょっとしたハプニングがあったものの、無事ワークショップを終了。参加者も、韓国から南米に至るまで幅広く参加されました。
こうして自分の持つ技術を惜しげもなく伝え広める長江さんはまさに伝道師です。

「作家として技術をこえて、その技術を使ってどのような表現ができるのか」をひたむきに追い求め、作陶される長江さん。今回の展覧会ではそのグランフィナーレに相応しく、今まで以上に迫力のある作品が並んでいます。
展覧会は29日(土)まで。是非お見逃しなく!

長江さんの作品創りについてより詳しい説明は、こちらのリンクをご覧ください。


文:砂原
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# by yufuku-gallery | 2012-09-22 15:31 | 酉福ギャラリー展覧会
釋永岳 陶展
富山市で作陶する釋永岳さんの4回目の個展が始まりました。
昨年の個展で初めて発表した「積想漆黒」シリーズの第二弾。

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陶板を一枚一枚積み重ねた造形で知られる釋永さん。
今回の新作はより大胆な造形になり、格段に造形力が増しています。

角度によって全く違う表情を見せるので、
実は低い目線からご覧いただくこともお薦めです。
なぜなら、釋永さんは低い位置に作品を置いて制作しているからです。
作家と同じ目線で作品をご覧いただくと、
より作家の気持ちに近づけるかもしれません。

「漆黒」の色は釉薬の効果ですが、
肌のしっとりとした質感は、漆によるもの。
釉薬を掛けて焼成した後、さらに拭き漆を施し、焼成しています。

漆に辿り着くまでには、電気分解、塩酸、硫酸…など、
相当な試行錯誤があったそうです。

個展は来週15日(土)まで。
是非ご来店ください。

(文・写真/髙橋)
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# by yufuku-gallery | 2012-09-08 18:14 | 酉福ギャラリー展覧会
朝倉隆文 日本画展
日本画家の朝倉隆文さんは、神職という一面もお持ちであり、
作品には古事記に登場する神々を題材にしたものが多くあります。
例えば、「融合スル境界線」(軸・下写真)には
男女の神様の艶っぽい神歌と、その神歌のイメージが生き生きと描かれています。

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朝倉さんが描くのは抽象画ではなく、その神話のエネルギーそのものなのだそうです。

本展では、和紙のほか、アルミ箔に描いた作品を発表しています。
経年変化がなく、銀箔に比べて沈んだ印象がないのが特徴。
全面にアルミ箔を用いた日本画は、他に無いのではないでしょうか。

この現代の素材と水墨画、日本神話という古来の題材、そして朝倉さんの表現力、
すべての要素が一体となり、生命力あふれる作品となっています。

朝倉さんはモノマネ、オペラ、日本舞踊と何でもこなしてしまう、多才な方。
これも鋭い感覚と観察眼があってこその妙技なのだと、納得してしまいます。

個展は今週11日(土)まで。
また、日本橋高島屋にて三人展「水墨最前線」も同時開催中です(13日(月)まで)。

是非ご覧ください。

(文・写真/髙橋)
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# by yufuku-gallery | 2012-08-07 17:28 | 酉福ギャラリー展覧会
今田陽子 磁器展
5月にロンドンで行われたアートフェア・Collect2012では、
今田陽子さんの出品作品3点は開始2時間で完売。
大きな注目を集めていました。

会場には今田さんも来てくださり、
行きの飛行機、宿泊したホテルも同じで、
和気あいあいとにぎやかな旅になりました。

大成功に終わったCollectから2か月余り。
今田さんはロンドンから帰国後、
個展のための作品制作に取り組んでくださったのですが、
そのわずかな期間で見事に16点もの作品を作り上げてくださいました。

今田さんらしい端正で清楚な造形、
呉須の筆遣いにも迫力があります。
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この高い完成度に私たちも驚きました。

Collectの会場で様々な方と出会い、多くの刺激を受け、
ポジティブになれたと仰っていた今田さん。
作品づくりに大きな影響を与えていたようです。

個展は7月21日(土)まで開催中です。
皆さまのご来店をお待ちしております。

(文・写真/髙橋)
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# by yufuku-gallery | 2012-07-14 18:28 | 酉福ギャラリー展覧会

酉福ギャラリー
東京南青山にあるギャラリー。現在、陶芸を軸に有名無名を問わず、活躍の期待できる作家の作品を取り扱っております。
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